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【ウィンブルドン 第12日】ムグルッサが初優勝、37歳のビーナスを7-5、6-0で打倒

WOWOW 2017年7月16日 04:17配信

ウィンブルドンを制しグランドスラム2度目の優勝を飾ったムグルッサ。(写真:Getty Images)

女子シングルス決勝で、第14シードのガルビネ・ムグルッサが第10シードのビーナス・ウイリアムズを7-5、6-0のストレートで下し、ウィンブルドンでは初めて、グランドスラムでは昨年の全仏オープンに次いで2度目の優勝を飾った。優勝賞金は220万ポンド(約3億2400万円)。スペイン勢の女子がウィンブルドンで優勝するのは、1994年のコンチータ・マルチネスに次いで史上2人目。

37歳のビーナス・ウイリアムズが優勝すれば、オープン化以降のグランドスラム優勝の最年長記録になる。ビーナスはウィンブルドンでは既に5度の優勝を手にしており、失うものは何もなかった。それに対し23歳のムグルッサは、昨年の全仏オープン優勝以降はアップダウンが激しく、周囲の期待に応えられずにここまで来た。ここで一矢報いたいムグルッサが、どのように経験豊かな相手にぶつけるかがポイントだった。

第1セット、ミスの少ない打ち合いで進み、先にブレイクポイントをつかんだのはビーナスだ。第6ゲームの30-30からのラリーで、ムグルッサがフォアサイド深くに2本叩いて前に出たところを、ビーナスが強引にフォアのパスをクロスに叩き返した。このチャンスをフォアハンドのミスで落としたのが悔やまれる。ここから試合は熱を帯びて動き始め、流れが少しずつムグルッサに傾き出したからだ。それでも、ビーナスにはまだまだチャンスがあった。5-4で迎えた第10ゲーム、15-40と2本のセットポイントを握り、最初のポイントが20本の長いラリー。ここでビーナスが攻め込めなかったのは、そこまでムグルッサが見せて来た攻撃性がジワジワと効いていたからだ。ここからミスが目立つようになり、第11ゲーム、ダブルフォルト絡みで入った最初のデュースであっさりブレイクを許し、第1セットは51分のやり取りの末にムグルッサの手に落ちた。

年齢の差と経験の差は微妙だ。第1セットのポイント差は僅か3ポイントだったが、ムグルッサには3ポイント以上の連続ポイントが第1、第2セットで4回ずつあり(ビーナスは2回と1回)、そこに勢いの差を見ることができるかもしれない。第2セットに入ってからも、ビーナスは必死に踏みとどまろうとしたが、ムグルッサのリターンポイントはファーストサーブで60%、セカンドでは100%。小雨の天候で屋根を閉じての試合だったにもかかわらず、ビーナスのダブルフォルトは5本。打ち合いに入れば深いボールを次々と打ち込まれ、ここは一気に6-0で勝負がついた。

ムグルッサは、今シーズンのツアーでは途中棄権が4回もあった。メンタリティーの不安定が指摘されたが、今回は安心材料があった。本来のコーチが妻の出産のために同行できなくなったため、ウィンブルドン優勝者でもあり、いまはスペインのフェド杯とデ杯監督を務めるコンチータ・マルチネスが臨時コーチを引き受けてくれた。

「長い大会だから、コンチータがいてくれるのは気分的にも楽でした。練習とか心構えとかは、そう変わるものではなくとも、ウィンブルドンを知り尽くしている人がそばにいてくれるだけで違う」

全仏オープンの4回戦でクリスティーナ・ムラデノビッチと対戦した際、地元声援に煽られて敗れた後の会見では涙まで流していた。女子テニス界はビクトリア・アザレンカに続くセレナ・ウイリアムズの出産、マリア・シャラポワのドーピング処分などでスター選手が払底し、今回も本命なき戦いと言われてきた。ムグルッサの繊細さが、この優勝を機に一皮むけてくれれば、エレナ・オスタペンコ、大坂なおみ、フランソワーズ・アバンダなど、素質の豊かな若手選手が続いている。その意味でも、明るい幕切れだった。

文:武田薫

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