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【ウィンブルドン 第4日】炎天下の熱闘3時間33分、杉田祐一あと一歩及ばず

WOWOW 2017年7月7日 06:53配信

先日のツアー初優勝の勢いで一時巻き返すも、最後は息切れした杉田。(写真:Getty Images)

29度目の挑戦で4大大会初勝利を手にした杉田祐一は、この日の2回戦でアドリアン・マナリノと3時間33分のフルセットを演じ、あと一歩及ばず敗れた。マナリノは、杉田が日本人選手として史上3人目のツアー優勝を果たした前哨戦、アンタルヤオープン(トルコ)の決勝で戦ったばかりの相手。同じ芝のコートだったとは言え、ウィンブルドンのサーフェスはトルコに比べて球足が遅く、その微妙な差が長丁場の試合でにじみ出た。

全仏オープンからこれが6週目で、杉田はその間にチャレンジャーとツアーの2つの優勝を手にしている。この成果は大きな自信であり、メダルの裏表として、これまでにない体力の消耗があった。立ち上がりに切れ味に欠けたのはその影響だろう。第2ゲームの15-40のチャンスを逃すと、続く第3ゲームであっさりブレイクを献上。このセットでは3度のブレイクを許し1-6のダウンとまったく手ごたえがなかった。しかし、そこからこれまでとの違いを見せた。

第2セット、ここも第2ゲームを先にブレイクされたものの、そこから、しぶとく打ち合ってリズムをつかみ、1-4から逆襲に入った。長いラリー戦から先に仕掛け、右左のライン際に思い切りのいい決めのショットを叩きこむ組み立ては、春から蓄えて来た自信の裏付けがあってこそ。第7ゲームをブレイクバックして追いつくと、第11ゲームも奪って7-5で振出しに戻し、その勢いで第3セットも6-4で奪って逆転した。

マナリノにも意地はあった。同じ1988年の生まれで、まだツアー優勝はなかったのに、3度目の決勝進出だったトルコで杉田に先を越された。同じ相手に2度も負けるわけにはいかないとういう執念が、炎天下での戦いを熱くした。第4セットが山だった。

マナリノが遅延行為と暴言でポイントペナルティーを取られて始まった第1ゲームが、杉田のチャンスだった。だが、ここでの3本のブレイクポイントを生かせなかった。

「あそこで、リターンを一つ決めて突き放したかったですね。第2、第3セットでパワーを出し切った感じでした。体力というより、どうにもアドレナリンが出てこない状態で、相手がかなり下がっているのは分かっていても、攻め切るまでの力が出てこなかった」

第4セットは互いにサービスブレイクを許さずタイブレイクにもつれ込んだ。このセットのアンフォースドエラーがマナリノの6に対し、杉田は24。ウィンブルドンの芝の球速が遅めということもあって、マナリノが杉田の攻撃を執拗に繋ぎ、最後にミスを誘うという展開が壁になった。この壁を打開できなかったのは、やはり連戦の蓄積疲労、初めてのトップ・スケジュールへの不慣れだろう。中盤の2セットで燃え尽きた感があり、タイブレイクを落とすと、ファイナルセットはそのまま押し切られた。

「下半身に痙攣も来ていましたが、やはり相手はずっとトップ50を戦ってきた選手ですね。残念でしたが、ただ、自分の力を出せば、かなりの選手に勝てることが分かった。来年、いい形でスケジュールを組めるように、ここからしっかりランキングを上げたい」

この後は、クレーコートでの2大会を挟んで、アメリカのハードコート・シーズンに挑む予定だ。杉田の浮上は、錦織圭の〝一人エース〟の負担軽減にも繋がるだけに、引き続き注目したい。

男子は第2シードのノバク・ジョコビッチ、第3シードのロジャー・フェデラーをはじめ、第6シードのミロシュ・ラオニッチ、第8シードのドミニク・ティーム、第13シードのグリゴール・ディミトロフらが順当に勝ち上がったものの、第29シードのフアン マルティン・デル ポトロはベテランのエルネスツ・グルビスにストレートで敗れた。女子では、優勝候補の一角に挙げられていたカロリーナ・プリスコバが世界87位のマグダレナ・リバリコバに敗れる波乱があった。

文:武田薫

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